偽装はまだまだ無くならない。いやもっと深刻になるだろう。

これなんだか分かりますか?

USアウトサイドスカートプライム

これはアメリカ産のアウトサイドスカート。日本ではマクミとかハラミと呼ばれる焼肉で人気の部位です。
格付けはPRIMEで、日本でゆうと3等級よりちょっと弱いくらいでしょうか。PRIMEの発生率はすごく低いので、日本での入荷数量はまだまだ限られていますけど、このアメリカ産というのが偽装の温床になりやすい。

USアウトサイドスカートカット
カット面をみてもこれを悪い肉屋から国産マクミ!といわれたら一般の人は判断がつきません。むしろ安くて美味しかった!と判断されることが多いでしょう。
しかも値段は3分の1程度なんです。
プロが見れば、脂身の色や肉の味でぎりぎり見分けがつくかもしれません。でも化粧(肉にもみダレを漬け込む)されたら無理ですよね。

昨年はホテルで相次いで偽装が発覚しましたけれど、いまはその時以上に状況が深刻です。しかも「知らなかった」ではすまない、確信犯がまだまだ潜んでいます。

いま国産牛肉は高値です。でもお客さんは安易に「国産がいいです」といいます。これはかなりの圧力となってしまいます。 国産品で正しい値段をお伝えすると、「えっそんなに高いの!」となってしまうケースが多々発生します。たまに話しが弾んで(?)、「あそこの肉屋さんはもっと安いよ」とか聞くこともありますが、「ああ、やっぱりあそこか」と思うこともしばしばです。 問屋から「ゴミ箱」扱いされている肉屋も多々あります。

以前セシウム汚染牛が大分のスーパー各地で販売され、回収騒動が肉屋の実名付で報道されました。でもこんなものは氷山の一角のそのまた先っちょについている霜にも満たない話なんです。セシウム汚染牛は一般小売りよりも業務用として真っ暗闇の中で大分圏内で流通しました。こちらは一切報道されていません。

「観光地で豊後牛を食べたはずなのに、実は内部被ばくしていた」というのが恐らく実態に近いものと思われます。

業務用や学校給食にはまったくといっていいほど、国の検査は入らないからこんあことが起きるんです。内部告発に頼っているのが現状です。

うちにもいろんなところから見積もり依頼があります。実際に現在の取引単価を確認させてもらうことがありますが、それはもうめちゃくちゃです。 どんなにコスト削減して、飲まず食わずで働いても「その単価なら外国産じゃないと無理」というような恐ろしい単価で国産であると主張するお肉を取引しています。

例えば学校給食でよく使われるのが国産鶏モモ(皮むき)こま切れ。学校給食も安い鶏肉は予算的に助かるので、安いところ安いところを求める。ある見積もりでは1000円/kgなどの業者もある。 でも国産の鶏モモを皮を向いて、しかもカットしてとなるとほとんど利益はない。そこでブラジル産の鶏モモ肉が登場します。皮を向いても500円/kgまでにはなりません(粗利50%!)。 偽装している肉屋は、国産品がどんな値段なのかとか、今後どうなるかとかまったく気にならないので、値上げにもうといんです。 

特に給食センターなど、行政が効率化を目指し鳴り物入りで作り上げた箱物では、食材費は削減の対象。子供の安全なんて二の次です。しかも暗黙のうちに行政が目をつぶっているから、内部告発でもなければ偽装はバレることはない。本当に行政が子供の教育、健康を考えているのなら、各肉屋との取引状況を一般公開して、不当な価格の取引がないかをチェックできる仕組みが必要です。まあ、これだけでは不十分ではあるのですが。

私の長女が今年から小学生。長男と次男もいずれ小学生に上がっていきます。学校給食が非常に不安です。

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