無添加ウインナー作りへの道 その1

 

4年前に誕生した長女が軽度のアトピーを持っていて、なにか食べるとそれが反応し、体中が赤く、痒くなる。因果関係はわからないけど、なんとなく「食品添加物」が絡んでるんではないかなと漠然と考えていました。

妻も長女のアトピーは自分の食生活にあったのではと感じてるようで、食生活に多少気をつけたところ、長男はアトピーなどをもつことなく無事誕生しました。

長女は成長とともにアトピーの影は和らいでいるものの、顔や皮膚が赤くなって痒がる姿を見ると、この子たちを含め、自分達の食生活にさらに注意をしないといけないと感じます。

自分たちが販売する食肉や食肉加工品(ハンバーグ、とり天、とんかつ)にも、なるべく自社では添加物(合成化学物質)を加えないで作るよう努力してきました。

そしていよいよ、最大の難関?であるウインナーにメスを入れることにしました。

一般的なウインナーの成分表示

上記の写真は、一般的にスーパーで販売されているウインナーに使用されている原材料の表示です。
いろいろな本や雑誌を読んで勉強してきて、初めて知ったのですが、「大豆たん白」、「ポークエキス」、「加工でんぷん」など、なにか天然抽出した材料に受け取れます。
でもこれらもれっきとした「合成化学物質」。基本的には材料に薬品(塩酸など)をまぜて、成分を抽出してできるものです。

調味料(アミノ酸)、リン酸塩(Na)、保存料(ソルビン酸)、酸化防止剤(ビタミンC)、pH調整剤、発色剤(亜硝酸Na)、香辛料抽出物、くん液などは言わずもがな合成化学物質です。

問題はこれらは単体の素材としては、安全性試験を通して国の認可をうけて使用されているのですが、複数の物質が混ざって作られる食品としての安全性は必ずしも確認されていないこと。
もうひとつは、化学反応をするときにでる不純物もかなり混ざっているということです。

そして最後に、景気の低迷で、食品のプライスダウンが要求され、消費者や販売店の意向をくむ形で、合成化学物質が大量に使われ始めているというのが大きな問題だと思います。

 

今回を含め、今後のブログでも、ひとつひとつの物質を取り上げて、批評することはしません。私の専門でもないです。私が取り組むのは合成化学物質がどこまで減らせるのか、という点です。

ウインナー作りについては、自社でも簡単な設備を導入し試作を重ね、また研修などにも参加して研究をしました。

そして今回作ったウインナーの原材料が下記写真です(サンプルなので、猪豚肉を使ってるのはご愛嬌)

九州食肉学問所ウインナー

リン酸塩(Na)と調味料(アミノ)酸をのこして、合成化学物質を使用せずに作りました。

と言いたいのですが、ここで驚愕の事実が判明。 試作の段階の打ち合わせでは「でん粉」を使うということは決まってました。私もでん粉なら天然ものだし、問題ないだろうと感じていました。
この時点では「でん粉」と「加工でん粉」が似て非なるものとは気づきませんでした。実際、試作で上がってきたウインナーをみると「加工でん粉」が使用されています。
加工業者に「でん粉」を使うといったじゃないか!とクレームを上げました。

食品業界の中でも、「でん粉」と「加工でん粉」が違うものだという認識がほとんどないとう実態が現れたのだと思います。

この加工でん粉については次回でもうちょっと詳しく取り上げます。

そして本当に微量なのですが、リン酸塩(Na)と調味料(アミノ酸)については、今回外すのを断念しました。
試作づくりでも、このリン酸塩(Na)がないと、どんなに肉を練っても、仕上がりがハンバーグみたいにぼそぼそするのです。弾力もありません。
調味料については、味を整える上でしかたなく使用を継続しました。

この試作品をいろんな方に食べていただきましたが、「肉の味がする」と好評をいただきました。自分で食べてみてもおいしいと感じます。

現在、小手川豚トンポークを使用したウインナーの原料投入をしました。 仕上がりが楽しみです。

リン酸塩(Na)と調味料(アミノ酸)は今後の課題として取り組んでいきます。