月刊セーノ!ともつ鍋と学長

地元に「セーノ!」という月刊誌がある。
創刊(2007年だったかな?)以来からとてもお世話になっている。最近広告は買えてませんけどね。
編集長のF氏がとても優秀な方で、FBの投稿もとても楽しい。高校の一個上の先輩で、当時は写真部に所属していた。
高校生当時に「写真部」に所属していたひとなんて、いま考えれば、なんてセンスの良い集団だったんろうと本当に関心する。
私はラグビー部にいたので(なぜか驚かれるが)、実は「文化部なんて糞食らえ」タイプだった。
でもいまになって思えば、なにかキラリとするセンスをお持ちの方々が多かったんだろうなあと思う。結局私もカメラにはハマってしまった。

そのF氏のもとに、さらに優秀な営業だったO氏が移ってきた。そのO氏が年末に企画を持ち込んでくれた。それが下の写真。県内の飲食店さんなんかのお持ち帰りセットの紹介みたいな特集だ。
ちょうど新アイテムとして開発した学長独自調合のオリジナルミックススパイス付きもつ鍋セットがあった。ホルモンは当店が1頭分を仕入れてブレンドしたミックスホルモンだ。それに学長が自ら調合したスパイスがつく。
学長のオリジナルミックススパイス付きもつ鍋セット
これの反応が抜群、大当たり。1ヶ月以上たってもセットの注文が入り、またホルモンが美味しかったと、リピートしてくれる方が多くいる。セーノ!さんのが取り上げてくれなかったら、いまだほそぼそと売っていたことだろう(笑) ついでに、当店にはマクミやタン、テールやホホ肉などがフレッシュであることも知っていただき、うれしい限りである。

セーノ!さんには以前にも特集を何回か組んでいただいた。直前のものは、下の画像。
学長の白熱肉教室
おいしいお肉の選び方という、それは本一冊くらいかける内容のものを見開き2ページでコンパクトにまとめてくれた。
とりあえずインパクトのある写真ということで、私は白衣に包丁2本持たされた(笑)
この冗談みたいな写真が実はF氏の深淵なる仕掛けだったということにのちのち気付かされることになる。

というのは、最近になって「影響力の武器」(ロバート・B・チャルディーニ)という本を読み始めた。
その6章のテーマが「権威」。
人間ってゆうても権威には盲目的に従ってしまうよね、という話なのだが、その権威に必要なのが肩書、服装、装飾品の3つらしい。
ここではっと気づいた。F氏にとってもらった上の写真。

肩書:九州食肉学問所 学長
服装:白衣
装飾品:両手に包丁

で、なんと形はばっちり(笑) あとは、中身の充実か。

しかしF氏おそるべし。商品だけでなく、人もプロデュースしてしまうとは。

「黒毛和牛カルビください」といっても、とても大変な作業なんですよ。

今年の花見は例年に比べても早かったですね。
なんでも3月の平均気温は過去最高だったとか。円安のおかげで、気温も上昇気運なんでしょうか。

上昇といえば、4月から、油類がのきなみ値段アップですね。何年か前の食糧危機を彷彿とさせる上昇です。

花見といえば、バーベキュー。バーベキューといえば、黒毛和牛のカルビ。黒毛和牛も数が厳しく高値です。大変な世の中ですね。

黒毛和牛のカルビとひとことにいっても、これがとても大変なんです。ロースはちゃっちゃっとできるんですけど。

カルビは要するに牛肉のバラ肉。このバラ肉は内臓を守るために、脂肪がたっぷりとついていて、赤身の部分は美しい刺しが入り、とても濃厚な味です。

みんな大好きですよね。

ただ肉屋にとっては宝探しのようなもの。ひとつ間違えば大損!ってことになりかねません。

鹿児島黒牛(鹿児島県産黒毛和牛)の5等級のバラ肉です。これはアトバラ(ソトバラ、トモバラともいう)です。重量は約18kgくらい。この脂の塊の中からカルビを切り出していきます。
後バラ・ノーマル

表面の薄膜や筋、脂を丁寧に取り除いていき、カルビ用の冊をとります。アトバラには「ササニク」という希少部位があります(下の画像、右上)。また左から2番目のカルビプレートは脂分が多く、濃厚なカルビとなります。それ以外は多少固めなので並カルビです。取り除いた脂のなかで、赤身が多少混じっているものは、細切れ用に取っておきます。
カルビスペック

上記でとったカルビ用冊をさらにきれいにして、商品化していきます。 少し厚切りでカルビのおいしさを堪能できるようにカットしました。
上カルビ

次にナカバラ(ウチバラともいう)です。じつはこいつがやっかい。
中バラ・ノーマル

ナカバラには、カイノミ、ショートプレート、ゲタというとてもおいしいカルビが眠っているのですが、ザッツオール!あとは脂と細切れにしかなりません。カルビはその分高値になりますね。ただ細切れをきちんと販売できれば、その分コストダウンできます。
バラスペック

カルビ用冊をとって商品化していきます。下がショートプレート。三角バラとの切断面なので、肉質がそっくり(というか同じ)です。そのうえにちょい顔をだしているのが、カイノミです。カイノミステーキも楽しめます。
牛特上カルビ

今回アトバラとナカバラでしたが、勘のいいかたは「マエバラってあるんじゃね?」と思うでしょう。
もちろん。あります。

ただ学問所では、マエバラはちょっと特殊な使い方をしています。
後日ご紹介します。

*上記写真は衛生面に十分配慮して撮影しております。

男子の本懐:牛スネの煮込み料理

寒くなりましたね~。
お肉も野菜もおいしくなる季節です。

今回は、寒い冬にぴったり牛スネ肉の料理方法をお届けします。

牛スネは実は万能食材。

おでんに入れたり、ビーフシチューやカレーに入れたり。
煮込んでストックしておけば、牛スジ卵丼や肉うどん、チャーハンの具などに簡単に活用できます。

≪その1≫
まず牛スネ肉をお買い求めください。写真のようにお肉の表面にスジが付いてるものがあとあとベストです。
写真は2.5Kgほどのスネ肉です。
牛スネ肉ブロック

≪その2≫
牛スネの表面からスジを除去していきます。そうすると赤いお肉が見えてきます。
約300g~500gほどのスジが取れます(→その4)。
残った本体(約2.0Kg)のままではゆでにくいので1.0kgほどのブロックに分割します。
牛スネ肉スジ引き後

≪その3≫
それぞれのブロックをタコ糸でしっかりと縛ります。
簡単に縛るためには、まず縦(長いほう)に糸を一周巻いて結びます(真結びでOK)。
そして横糸で縛っていきます。最後に縦糸と絡ませるように結べばOKです。
これで煮込んでいきます。
牛スネ煮込み用縛り

≪その4≫
残った牛スジももちろん活用します。
牛引き筋

≪その5≫
香味野菜などと一緒に煮込んでいきます。上の牛すじもいっしょに煮込みます。
牛スネ煮込み
<レシピ>
牛スネブロック 1kgに対して、
玉ねぎ1個
にんじん1/2本
しょうが1/2かけ
セロリ 1/2本
赤唐辛子1本
水800cc
酒もしくは白ワイン 半カップ
塩 小さじ1

これらの材料を深めの鍋に入れて、茹でていきます。
沸騰したらふたをして2時間ほど弱火で煮込んでいきます。

<ワンポイント>
・スネ肉は一度熱湯で軽くゆで、水で洗うと灰汁が抜けます。

≪その5≫
火をとめ、ゆで汁がさめたら、完成です。
この状態で冷凍しておけば、いざとゆうときにいろんな料理に使えます。
ゆで汁は、漉して冷凍ストックにしておくと便利です。
牛スネ茹で上がり

≪その6≫
今回は、スネ肉を厚切りにカットしてゆで汁にもどし、そのままカレーにしてみました~。
牛スネカレー

次回でこの茹でたスネ肉を使ったさまざまな料理をご紹介します。

スネ肉がほしくなったら、ご連絡ください^^
info@298now.jp