失敗しないための牛肉選び(1)

beefloin

クリスマスに、年末年始。お友達や家族と集まってすき焼き・しゃぶしゃぶ。
という方も多いと思います。

そこで今回「失敗しないための牛肉選び」(1)をお届けします。

まずは等級についてです。
皆さんよくA5って耳にしますよね。最高ランクといわれているものです。
アルファベットの部分は今回無視するとして、数字の部分は1から5まであります。
これは肉質等級と呼ばれるものです。

よく霜降りが多いと5等級!といいます。
間違いではないのですが、厳密にいえば等級は霜降りだけでは決まりません。
赤身の色、脂肪の色などが霜降りの具合とあいまって決まります。

ほかにBMS 「牛脂肪交雑基準」 Beef Marbling Standardといわれるものも詳しい方なら
ご存知かもしれませんが、一般的ではないので割愛します。
ビーフステーキ

ただしこの等級。

必ずしもおいしさの基準ではありません。

人間の食感に大きく影響をあたえる、『肉の締まり具合』や『きめの細かさ』については一切評価されていません。

霜降りは入っていておいしそうなのに、肉の締まりが悪くてカットした面を触るとびちょびちょしていたり、赤身のきめが粗く硬かったりすることが稀にあります。
こうゆう肉を選んでしまった日には、気分がとても欝になりますね。

とくに外モモなんかは、赤身のきめが粗いのです。
しゃぶしゃぶ用に薄く切ってもらえばそう問題ないのですが、すき焼き用に厚めに切られた場合は若干食いちぎらないと
いけないような感じになります。
一口にモモ肉といっても多様です。

すき焼き用

また若いころは気にならなかった霜降りたっぷりの牛肉も、年齢を重ねるごとにキツく感じることもあります。
上記の写真は3等級のロースですが、4等級、5等級となるとさらに脂肪が入り込むことになります。
牛肉を食べたつもりでも実は脂ばかり食べていたということになりかねません。

霜降りたっぷりの5等級は1人1枚ずつくらいにしておいて、あとは3等級くらいのものにしておくのがお勧めです。
霜降りが入るほど値段が高くなりますから、リーズナブルですよね。
そしてできるなら赤身がべちょべちょしてなく、しっとりしたものを選ぶといいですよね。

「俺は霜降りの高級肉しか食べない!」という方もいるとは思いますが、
今年の冬はおいしい赤身を選んでみては?

国産牛肉の等級については、爆弾発言的なこともありますけど、今回はこの辺りで。

さらに続きます!

見た目にごまかされるな!その2:ブリスケコブ

見た目にごまかされるな!その1:ハンキングテンダー
に続き第2弾です。

繰り返しますが、決して「食べてはいけない」ということではありません。

でもごまかされてはいけません。

まずは写真を。
ブリスケ
これはすごい霜降り、値段も高そうですね。

と思った方。

だまされています。

この商品は前回と違って「国産品(黒毛和牛も含む)」なのですが、めちゃくちゃ堅いです。

写真のように切り落としになっていれば、そんなに問題ありません。

ただし、カルビのような厚さで売られていたら要注意です。

店員さんに「これ、ブリスケコブ?」とたずねてください。

もしYESなら、買わないほうがよいでしょう。

そう、この部位は「ブリスケコブ」と呼ばれています。

ブリスケコブについては、
ブリスケって、あんた誰?何?
で詳しく取り上げています。

ものすごい霜降りが入ったようにみえるのですが、この脂身部分はとても堅く、焼肉用には適しません。

ブロックでビーフシチューなどにするととてもおいしいのですが、煮込んでもやわらかくなるのに時間がかかります。

等級によりますが100g200円から300円なら煮込み用、切り落とし用で購入しても、まあ文句はないとおもいます。

以上です。

ブリスケって、あんた誰?何?

さて今日はマエバラです。
大きなくくりでは、「まえ」と呼ばれる部類に入ります。
「まえ」には、これまでにご紹介した

ウデ(肩)」、

肩ロース」、

そして今回の「マエバラ」が分類されます。

また「バラ」というくくりでは、前バラの他、

ナカバラ
アトバラ

がバラ3兄弟です。

マエバラは大きく「ブリスケ」と「サンカクバラ」に分かれます。

サンカクバラ」の商品化は以前ご紹介しましたので、今回はマエバラからサンカクバラとブリスケの分割、そして、ブリスケの商品化を見ていきます。

最初はマエバラの分割です。

牛マエバラの商品化 その1

マエバラは、サンカクバラとブリスケに分かれます。
ブリスケはさらに、カルビプレートとブリスケこぶに分割されます。
最初に表と裏の脂と筋を除去していきながら、サンカクバラとブリスケに分割します。(動画中では、ブリコブといっていますが誤りです)。

次にブリスケを商品化していきます。

牛マエバラの商品化 その2

ブリスケは大きくカルビプレートとブリスケこぶに分割されます。
ブリスケこぶを外していきます。ここは難しいので、筋肉の噛みをよくみながら、ゆっくりと捌いてください。

ブリスケこぶは切断面が霜降りでとてもやわらかそうに見えますが、とても硬いので要注意です。
スーパーなどのセールではこの部分がカルビカットされているのを良く見ます。
反面、煮込み用にするととてもよい味と食感になります。

のこったカルビプレートは表面の脂をきれいに除去します。
カルビプレートはひょうたんのような形をしています。
筋肉繊維にそってカルビ冊どりをしていきます。

先端の細長いほうはとてもやわらかいのですが、
お尻側のナカバラとの切断面は硬くなります。
バラ側のほうは、切り落としか煮込み用が無難です。

ブリスケは脂も含めて味の濃い部分です。
用途によっては料理のコクを引き立てます。
ただし、脂身の酸化がすすむとにおいが強くなるので、夏場の販売には注意が必要です。