年末のご挨拶

スーパーのテナントをやめ、1年半がたちました。
利益的には大きく改善しましたが、今年春から秋にかけての長期的な天候不順にはさすがに参りました。しかも土日のたびに、雨や台風(笑)

なので、まことに質素な冬を送っています。

それはさておき、年末のご挨拶にかえ、ひさびさにこちらの経営者ブログを更新しました。

「クリスマス&年末に思うこと。」

今年は鶏肉の生産現場、そしてそれを流通させる鶏肉業者から悲鳴の声が聞こえてきます。
※もちろん牛肉、豚肉の生産現場からもなのですが。

大手量販では鶏肉は目玉商品にしやすい安売りアイテム。安く安く売ろうとします。でも量販が身銭を切ってセールする部分は少ないのです。もちろんすべての小売業者がそうなのではありません。異論もあるかもしれません。

しわ寄せはまず鶏肉業者にいきます。毎朝3時から夜まで残業してしのいでいる業者もあります。卸価格もねぎりに値切られます。日本中から安いものを探してこなければなりません。九州の鶏業者が東北関東の鶏肉在庫を抱えているのも珍しくはありません。
若いものは1週間もしないうちにやめていきます。業者の新入社員がトンズラするのを何度もみてきました(笑)

次にそのしわ寄せは生産現場にいきます。安く安く鶏肉を生産しなければなりません。それは餌に、そして飼育環境に影響します。密飼いになり、抗生物質の投薬も多くなり、それでも鳥インフルエンザなどの脅威に怯えています。おいしいとはいえない状態で出荷をしなければならない場合もあります。

生産者が付加価値の高い鶏肉を生産して、きちんと利益を生み出す努力をすることはもちろん大切ですが、小売業者が消費者に適正な価格を伝えていく努力も大事だと思います。

当店もスーパーのテナントに入っていたときは、競合のことばかり目がいき、鶏肉などはいかに買い叩くかしか考えていませんでした。

でもそれを辞めました。昨年の8月にスーパーのテナントはやめました。

当店のお肉の小売販売はほぼ100%ネットショップになりました。もちろんセールもありますが、基本的には適正価格を伝えていく場所です。
生産者から卸値が上がれば、それを素直に受け入れ、吸収できない分はすぐに価格に反映させています。
仕入量を背景に買値を抑えれば、価格に転化しなくてもすむ場合もあります、ネットショップでもそうすれば、楽に今の2~3倍の売上があがるんだろうなと思います。でもそうはしません。広告もうちません。

それでも今はほんとうに良いお客様に恵まれていると感じています。口コミだけですが、着実にご理解いただけるお客様が寄ってきてくれています。

放射能精密検査をはじめ、消費者の安心・安全につながることにはこれからも取り組んでいきたいと思います。

自分の子供にも、そして全国の子供にも自信をもってすすめられるお肉の販売をこれからも自分の遺伝子に組み込んで肉屋の経営をしていきたいと思います。

ふけば飛ぶような小さな会社ですが、これからもよろしくお願いします。