キッチンいこい閉店に思うこと。

鶴崎の老舗「キッチンいこい」が予定よりも早く、1/27(月)のお昼の営業をもって閉店した。

キッチンいこい閉店

先日書いたブログにもある通り、もともとは1月末までの営業予定だった。閉店を知ったファンが押し寄せた。連日100人以上の待ち客がでるなど、店主が疲れてしまったようだ。
鶴崎のキッチンいこい。1月末をもって閉店という一大事件
大変残念ではあるが、これからはゆっくりしてもらいたいと思う。

私が生まれるずっと以前から鶴崎の変貌を見届けてきた「キッチンいこい」。大分とり天の発祥の店ということだけに甘えることなく、「とり天ネギソース」や「とり天南蛮」などを世に送り出してきた。弛まぬ努力が、寂れていく鶴崎という土地で45年間営業し続けることができた理由であると思う。 鶴崎には老舗の部類に入る飲食店が多くある。和の食事処さどや、炉端焼きとしね。中華料理の紅蘭に、モンテ、そして喫茶モントレ。 そして比較的若いお店で焼き肉の山國屋(笑)、しあわせな色男などなど。

老舗の多くは、がっちりとお客の心を掴み、力強く営業している。また当店のカフェにしてみれば、手ごわきライバルたちである。いろいろと勉強になるところが多い。

そして今回のキッチンいこいの閉店は、最後の最後に食品や飲食に携わる経営者にとても大切なことを教えてくれてた。

「愛されること」

味でない(いや、いこいさんがまずいといっているのではない)、値段でもない(いや、いこいさんが安いといっているのではない)。

閉店の際になり、大分市内のみならず、全国からファンが駆けつけるようなお店づくりを自分はできるだろうか。たとえ荒稼ぎをしたとしても、閉店の際にだれも愛おしんでくれないような経営をしたくはない、と思った。ともすれば大規模小売りチェーンは、安かろう悪かろう、全国民に毒を撒き散らかすような企業も多い(イオンとか)。いや逆にそうでなければ大きくなれなかったのかもしれない。

もちろん一経営者として事業を大きくしていくのは夢だ。でも悪いやつら(自分たちは悪いと思っていないからことのほか質が悪い)の片棒を担ぎながら成長していくのはまっぴらである。

愛されるために何をすべきか。

ノロウイルスや食品の毒物混入について思うこと。

ノロウイルスがインフルエンザとともに猛威を振るっていますね。

ノロウイルスによる食中毒は広範囲にそして大人数に影響がでています。
<集団感染?>浜松14小学校約1000人が下痢や嘔吐
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140116-00000047-mai-soci

ノロウイルス

そして、広島でも、
下痢、嘔吐…広島の食中毒 同じ業者の弁当食べる
http://headlines.yahoo.co.jp/videonews/ann?a=20140124-00000040-ann-soci

浜松のパン工場も衛生面には十分気をつけていたと思います。あれだけの工場ですから。
それでも防ぎきれませんでした。パンを焼いて、納品する最後の最後でついたノロウイルスが
1000人以上に食中毒をもたらしたようです。

また去年の年末から騒動となっているマルハニチロの農薬混入冷凍食品事件はようやく容疑者が特定。
製品には製造日だけではなく製造時間帯まで記載されていて、それを元に容疑者を特定したもよう。
でもそこまで厳重に管理していて、容疑者が農薬を食品に混入させるのは容易だったのでしょうか。

食品業界の末端にある当社にとっても、見えない敵との戦いはもう天に運を任せるしかないのかもしれません。
当店ではスタッフやスタッフの家族に体調不良がある場合には、長期の休みを取らせています。
でも見えないウイルスの戦いというのは、いつ何が起きるかわかりません。
本当に怖いです。

だたこのパン工場のノロウイルスや食品工場での毒物混入事件は、なにか共通するものがあるのではないかと感じています。

大きな工場は衛生管理や生産管理をこれまでも徹底してきたはずです。
それでも毎年毎年こんな事件が起きています。しかも被害の規模が拡大しています。

低価格で大量のものづくり。低い労働賃金、休みを取れない過酷なシフト。
こんな原因が根っこにあるとしたら、ウイルスや毒物を混入したものというのは最終的で直接的な原因ではあるにしろ、
根本的な原因ではないですよね。
どんなに管理体制を強化しても防げないでしょうね。

気になるのが、ノロウイルスを出した工場やホテルなどの行政処分。
もちろん、なんらかの処分は必要なのですが、発覚してずいぶんたったあとに、「営業停止2日間」とか。
まあ疑惑のうちは処分できないのでしょうが、なんか意味あるのでしょうか。停止期間中なにか指導をしているのかな?

食品会社も行政も「安心・安全」が消費者へのただのアピールや詭弁になっていてる感じがします。

そしてこの記事を書いているところで飛び込んできたニュース。
千葉、カレー壱番屋弁当で食中毒 ノロウイルス検出
http://www.47news.jp/CN/201401/CN2014012401002056.html
新トッピングはノロウイルスだった??

鶴崎のキッチンいこい。1月末をもって閉店という一大事件

鶴崎に45年前からあるキッチンいこい。 キッチンいこいは大分とり天の発祥の店のひとつ(いろいろ異論はあるとおもうが)として、全国放送でもなんどか取り上げられ、ユニークなおばちゃんもいることで大人気である。そのおばちゃんには私と私の弟も同級生となる子供がいるので、個人的にはもう35年以上は知り合いだ。店にいくと「やまちゃん!」と弟のニックネームで私も呼ばれる。

キッチンいこい外観
鶴崎というのは大企業の工場地帯のど真ん中にあり、40年以上も前はみんな鶴崎にめがけて買い物や娯楽をしにきたものだ。狭い三角州のような土地に、ジャスコあり、大手スーパーが2店舗あり、と賑やかだった。また転勤族が多く、鶴崎に来ては大阪や東京にもどっていく。彼らはその時にキッチンいこいを知る。お買い物して、いこいでとり天とサンデーを食べるのが当時のステータスだったようだ。
いま鶴崎は閑散としているが、キッチンいこいを懐かしがるひとは多く、いまだ来店客が多い。

そのキッチンいこいが「1月末でやめるらしい!」という噂を聞きつけ飛んでいってみると、ドアのところに隠れるようになにやら貼り紙が。 これをなにげなくTwitterで「鶴崎の名店にして大分のとり天発祥の店、キッチンいこいが1月末で閉店です。」と下の画像をあげたら、何十RTもされてしまい、果てはダイノジの四角いほうにまでRTされた。近場では通学中の女子高生に「あ、いこいのひとや!」と声をかけられる始末(いや、その近くの肉屋のひとですよと)。その所為だけではないとおもうが、翌日からいこいさんはオープンから満席のご様子。持ち帰りの電話予約も受け切れないようだ。
もしかすると、ひっそり辞めたかったんじゃないかと、いまさらながら、申し訳ないことをしたなあと反省中。まあ私がしなくても、同じ結果にはなったとは思いますが。

キッチンいこい閉店

まあともかく、キッチンいこいにいけば、とり天を食べなければならない。この「とり天いろいろ」はとり天をベースに三種類の味が楽しめる。このボリュームで680円くらいだから、価格も安い。次の朝までお腹パンパンになる。
キッチンいこい とり天いろいろ
そして今日もまた弁当を食べました。あと一回は行こうかなと思う。
なくなると寂しくなるなあ。

キッチンいこいとり天弁当 キッチンいこいとり天南蛮弁当

それまでは年に一回くらいしか行かなかったのにね(笑)

話は変わりますが、実はとり天は「ムネ肉でなければならない」という私の勝手な信念がありまして、当店がネットショップで販売しているとり天はムネ肉なのです。
九州食肉学問所のとり天

でも別府の東洋軒さんもこのいこいさんもモモ肉。やっぱモモ肉なのかなあ。