肩ロースを扱えればもう怖いものなし その3

肩ロースを扱えればもう怖いものなし その1
肩ロースを扱えればもう怖いものなし その2
の続きです。

ザブトンから外した部分(マンジュウ等と呼ばれています)を商品化していきます。

脂の噛み具合にそって大きく2分割し、焼肉用の冊を取ります。そして筋肉繊維を断ち切るように、焼肉カットしていきます。ザブトンよりも固めですが、ジューシーでおいしい商品となります。

最後にリブロース側と、ザブトンを取り除いたあとにのこったロース芯の商品化です。

リブロース側からステーキを手切りしていきます。脂と筋肉の噛みが複雑になってきたら、スライサーでうす切りの商品を作ります。ロース芯は筋肉繊維にそって冊取りをして、焼肉用に商品化していきます。
のこったカブリの部分はコマ材、切り落とし材として利用します。

次回はマエバラ(肩バラ)です。

肩ロースを扱えればもう怖いものなし その2

肩ロースを扱えればもう怖いものなし その1
の続きです。

前回は、肩ロースからカブリをはずし、脂肪と筋肉の交わりが複雑なリブロース側(1/3程度)を切り離しました。
今回は、残った本体の商品化を進めていきます。

まずロース芯を切り離し、ザブトンを取っていきます。
切り出したザブトンのうち肩側1/3は、繊維の流れが変わります。
若干硬くなるので、そこを切り取ります。
切り出した部分は、マンジュウと呼ばれています。
もちもちしていて味わいが深いところです。

今回はザブトンの商品化まで進めていきます。

肩ロースの切断面として見えていた部分は、今後ご紹介するマエバラにつながっています。
この見えていた部分から大きめの冊(幅15cmほど)を2本ほど取ります。
それ以降(ネック側)は繊維の流れがかわるので、その流れにそって冊取りをします。

あとはその冊を厚切りにしていって焼肉用に商品化していきます。

次回は、残ったリブロース側と、ロース芯、マンジュウの商品化を説明します。

肩ロースを扱えればもう怖いものなし その1

牛肉には大きく「まえ」と呼ばれる部位があります。

この「まえ」には、
・カタバラ(マエバラ)
・カタ(ウデ)
・カタロース(クラシタ)
・ネック、マエスネ
が含まれます。

カタという単語は漢字で書くと「肩」なのですが、音が「硬い」にも通じるのであまり良いイメージに聞こえません。
なので当店ではカッコ内の別称を主に使用しています(ずるいねぇ)。

さてこの「まえ」。
脂や繊維の交わりが複雑のため、サーロインやモモ肉などに比べると、若干安く流通しています。
スーパーのスタッフにはなかなか使いこなせない部位です。
また運動をする部位なので、やはり「硬め」です。
しかしながら、きちんと筋肉繊維毎に分割し、筋・脂をひいて商品化すると、付加価値の高い商品作りができます。

肩肉(ウデ肉)については、すでにご紹介ずみです。

今回は、「肩ロース」の商品化を見て行きたいと思います。
動画を加工する時間が最近ないので、ちょっとずつ小出しにしていきます。

肩ロースは「マエ」に分類されますが、同時にロースの仲間です。
・サーロイン
・リブロース
・肩ロース
ロース3兄弟と勝手に呼んでいます。

この肩ロース。
最近TVや雑誌でも登場する「ザブトン」と呼ばれる貴重な部位が取れます。非常にやわらかく、ジューシーで味わいのあるお肉です。
そして若干硬くなりますが、「マンジュウ」、「シン」と呼ばれる焼肉用商材が取れます。
おまけにロースステーキも商品化できます。
冬になれば、すき焼き、しゃぶしゃぶなどにも濃厚な味のスライスが商品化できます。

万能です。
これ一本あれば、なんでも出来ます。

さて実際に肩ロースを捌いていきます。

肩ロースは、へたに捌くと歩留まりが悪く、商品化が難しい部位です。
ただし相場は安いので、きちんとすれば非常に利益率の高い商品化がおこなえます。
今回は焼肉用をおもに商品化していく前提で捌いていきます。
最初に、カブリ・かたコブを取り除きます。リブロース側からザブトンの始まるところまでは、繊維のかみ具合が複雑なので、ステーキやスライスの商品化をしていきます。
そして見えてきたザブトン、マンジュウ、シンを商品化していきます(以降次回)。