沖田黒豚牧場 訪問記

Butcher’s Cuisine 九州食肉学問所では、6月より沖田黒豚牧場の鹿児島黒豚を取り扱うことになりました(現在のところ店頭販売のみ)。
そこでさっそく鹿児島県伊佐市になる沖田さんの農場を訪問してきました。

大分から鹿児島は同じ九州でも一番遠いイメージ。片道5~6時間は覚悟していましたが、そういえばこの4月から九州新幹線が!
大分→博多2時間 博多→鹿児島出水1時間。都合3時間。鹿児島も近くなりました^^

出水駅前でレンタカーを借りて、30分ほどで農場へ。
大分だと市内から農場まで1時間以上かかるところばかりですが、そこは農業王国鹿児島。
身近に牧場があります。

沖田黒豚牧場看板
写真は2代目沖田さん。看板が古くてもう変えたいそうです。
この看板の黒豚ちゃん。ヨーロッパのアニメにもでてきそうなチャーミングさですが、実物もこんな感じだったことに後で驚くことになります(笑)

入り口からまず目に飛び込んだのは壮大な丘陵地帯(?)
鹿児島黒豚放牧
画像で確認いただくのは難しいのですが、黒豚のびのびと放牧されています。
この裏側にも放牧地があり、4区画に分けれら月齢ごとに飼育されています。

放牧地そばにある小屋にたどり着くと、一斉に黒豚ちゃんが近寄ってきました。
鹿児島黒豚近影
ひとを恐れる気配はまったくなく、カメラ用に目線を向けてくれます。

沖田さんが横向け!と合図すると横向きます(笑)
鹿児島黒豚特徴
かごしま黒豚は系統がきっちりと管理されています。そんじょそこらの黒い豚ではございません。

かごしま黒豚の特徴は、
1:しゃくれた鼻
2:ピンとした耳
3:ずんぐりした胴体
だそうです。

戦国時代から薩摩の国(鹿児島県)では豚肉を、「歩く野菜」と呼ぶほど親しみをもって食べられていたそうです。徳川慶喜公は後に「豚一様」と呼ばれるほどに薩摩の黒豚を気に入ったそうです。まさに将軍家御用達。
その後、改良を重ね、現在のかごしま黒豚があります。

ただ系統がよければ味が良いわけではありません。
沖田さんの黒豚の秘訣は、この放牧で育つストレスの無い飼育環境ともうひとつ自家配合飼料にあるそうです。
自家配合飼料
沖田牧場の配合飼料は麦・さつまいもが中心です。しかも自然発酵しているので、えさに手をつっこむととても温かいんです。

これは一般的な養豚のえさとはまったく異なります。安く早く豚肉をつくるには通常「とうもろこし」主体のえさとなります。さらに防腐剤なども入っていたりします。とうもろこしは飼料効率(産肉性)が高く、しかも安いのです。
ですが、急激に太るため、赤身のきめの粗い(硬い)また脂身が黄色くえぐみのある豚になってしまいます。
要するに一般的なスーパーで売られている豚肉になってしまいます。

対して麦やさつまいもはとうもろこしよりも値段が高く、飼料効率も悪いです。
ただし、白くて上質な甘みのある豚肉になります。そう黒豚はこの脂身のうまさを味わってこそ価値があります。
また時間をかけてゆっくり成長させるので赤身の極めもこまかくなります。

スーパーの豚肉などは出荷できる体重(110~120kg)になるまで通常180日程度ですが、沖田黒豚はさらに2ヶ月の240日程度かかるのです。
そのため、黒豚はとても高価なものになってしまいます。

高いけどやっぱりおいしいんです!脂身の甘みと赤身がハーモニーをなして、しかも歯切れがよくノド越しまで最高なんです!

この沖田黒豚を作り上げたのが、初代沖田さん(下画像右側)。かごしま黒豚業界いや日本の養豚業界の重鎮です。もう80歳を過ぎてます!でも若い!良い黒豚肉をたくさん食べているからでしょう!
沖田親子
初代にはここには書けない裏話をたくさんお伺いすることができました(笑)。
まだまだ多い偽装とも戦っている方です。

数々の受賞暦がそれを物語っています。
受賞履歴小泉元首相や橋本元首相のお名前が~。宮家まで(笑)

2代目の奥様が「豚汁食べてく?」とおっしゃったので遠慮なく「ハイ!」というと出てきたのはなんとしゃぶしゃぶ。
鹿児島黒豚しゃぶしゃぶ
一瞬鹿児島では「しゃぶしゃぶ」のことを「豚汁」ってゆうのかな?と首をかしげていると、豚汁もちゃんと出てきました(笑)
自家製の味噌だれでいただきました。ご馳走様でした。

ちなみに3代目となる跡継ぎさんはこの日39度の熱をだしてダウン。
また今度おあいしましょう!

最後に番犬のライオンキングにご挨拶をして帰路に。
ライオンキング

いやー入荷が愉しみ。

沖田さん、ありがとうございました!

驚異のジンギスカン-人々を惹きつける5の法則

今夜はジンギスカン!
ジンギスカン!と聞いて「ジ、ジ、ジンギスカーン!」と口ずさんでしまう方、お気をつけください。お歳が分かります。私よりちょい上ですね。

それはさておき、暖かくなると食べたくなるのが焼肉!ですね。
花見のシーズンがやってきます。今年はジンギスカンで花見酒もおつなのでは?

そんなわけで今回はジンギスカンのおいしい召し上がり方をご紹介します。

ジンギスカンは羊肉を使用します。日本に流通する羊肉はほとんどがオーストラリア産、ニュージーランド産です。今回はニュージーランド産のラム肉を思い切って厚切り(5-6mm)にしてダイナミックなジンギスカンにしてみました。

法則1:マトンよりラム?
羊肉は年齢に応じてラム→ホゲット→マトンと呼ばれます(NZ産)。ラムは肉質もやわらかく臭みがありません。しかし若い分味わいにかけるかもしれません。マトンはうまみが増す反面、固さ・臭みが出てきます。どちらが良いかはあなた次第です!

ラム肉漬け込み
まずはラム肉に味を漬け込みます。

肉1Kgに対して、
焼肉のタレ 400cc
コチュジャン 大さじ1~2
すりおろしにんにく 大さじ1
いりごま 小さじ1
をまぜ、揉みこみます。

法則2:漬け込むのは30分くらい
根拠はまったくありません(笑) 常温で30分ほど漬け込めば、ほどよく肉にタレがつかり、また肉の冷たさがとれ、焼きごろとなります。直感です。

もやしは命
そして野菜を準備します。
もやし、キャベツ、にんじん、たまねぎ、ピーマンなどを食べやすい大きさに切ってください。

法則3:もやしは良いものを大量に
ジンギスカンにぴったり合う野菜は「もやし」です。肉汁の染み込みもよく、お肉との相性ばっちりです。
しかも大量に消費します。普段より良いもやしを用意しましよう

鍋も大切
お肉と野菜の準備ができたら、コンロに鍋をセットして脂を塗ります。

法則4:ジンギスカン鍋じゃないとだめ?
だめなことはありません。ホットプレートでも十分です。ただ鍋の形状から丸い天辺の部分でお肉を焼き、その肉汁が周りの野菜と程よく絡み合って焼けていく姿は素敵です。鍋は使えば使うほど、味わいがでます。また専用鍋自体の雰囲気が場を盛り上げます。

まずは野菜
鍋の周囲のまず野菜を置いていきます。どんな盛り方でもいいですが見た目の美しさも重要です。

次にお肉
次に鍋のてっぺんの部分にお肉を乗せていきます。

お肉を焼きましょう
お肉が焼け始め、周りの野菜に肉汁が染みわたるのがわかります。香りも抜群です。


とりあえず動画!(*一部雑音申し訳ないです)

さあ召し上がれ!
お肉が十分に焼けたら、存分にお召し上がりください。

法則5:焼きすぎに注意
もやしは焼きすぎると風味が逃げます。お肉の焼けるタイミングと野菜の追加に細心の注意を!

これから「クッパ」の話をしよう 牛テールを楽しむためのレシピ

今回は
腰に手をあてぇおしりふりふりぃ みんなで食べよう しっぽのスープ
の番外編です。
残ったテールスープでクッパを作っていきます。
(*最後にテールスープが無いときにクッパを作る方法を書いています)

テールから肉をはずして、肉は別の皿によけておきます。
テールスープを鍋に入れます。
テールスープ

スープにニンジン、大根を入れ煮込んでいきます。
*このほかに、椎茸などを入れてもおいしいです。

野菜がやわらかくなったら、別の皿によけてあった肉を入れます。

砂糖、醤油、酒で味付けをします。お好みの味に整えてください。
分量は砂糖:醤油:酒=1:1:1が目安です。

味が決まったら火を止めます。
溶き卵を流し込み、蓋をして20秒ほど蒸らします。

クッパスープ完成
こんな感じに仕上がったら完成です。

ご飯に盛り付け
あったかいご飯(炊きたてより温めご飯がベター)に盛り付ければ完成です。

糸唐辛子でアクセント
コチュジャン、キムチなどで味を足してもおいしいですよ~。

さあ召し上がれ
さあ召し上がれ^^

テールスープが無い場合には鶏がらだしのスープ、肉にはうす切り肉を短冊カットしたものを使ってもおいしく作れます。
一度お試しください。