もも肉を「ロース」表示 消費者庁、表示改善要請 焼き肉業界側、指針に定義なし

焼肉業界にメスが入りました。

日本経済新聞
もも肉を「ロース」表示 消費者庁、表示改善要請 焼き肉業界側、指針に定義なし

このことは当ブログの記事でもすこし触れています。
たまたまタマタマのような形 シンタマ

このニュースに私は非常に驚きました。

「いまだにこんなことやっている焼肉屋があったのか!」ということです。
どうやらまだあったようですね。

全国焼肉協会の言い分は、「食肉小売品質基準の規格と一致しない」ということのようです。

つまり、焼肉屋の「ロース」と食肉小売店の「ロース」とは定義がちがうんだよという主張です。

焼肉屋は「食感」を重視したメニュー名。お肉屋さんのように「部位」ではない。
だからモモ肉でもロースって呼んでいいよねってことらしいです。

この主張に皆さま納得できますか?

ロースのほかにも「生レバー」など、生食用に処理されていない内蔵類の提供もグレーゾーン。

似たようなことが起きてそうなのが「すし」業界。こちらはどうなるのでしょうか。

牛乳・豚肉供給に影響-猛暑で家畜大量死(日経新聞2010年9月14日)

豚肉の相場が高止まり(いくぶん上昇)しています。
この傾向は、市場筋によると9月後半の連休明けまでつづくようです。

本日の日経新聞によると、

「豚も猛暑による死滅が600頭を超え、08年より2割強増えた。体重が増えず、出荷を遅らせている農家も多い。」

豚は特に暑さに弱い。飼料効率がとたんに悪くなり、出荷体重の目安110kgを割り込みます。

1頭の値段が変わらないとすると、出荷体重が減ればキロ単価は当然上がります。
*こんな単純な計算で価格はきまらないけど。

それが、骨抜きしパーツになり肉屋の店頭に並ぶころには、相当跳ね上ることになります。

しかし店頭小売価格に転嫁するのは現状難しいでしょう。

しかも牛肉の売り上げ不振によりなかなか利益の出ないこの局面で、豚肉で利益がでないのは厳しいです。

鶏肉の相場が軟調で利益率が回復してはいますが、夏場はそもそも重要が弱いので焼け石に水です。

その鶏肉も「(ブロイラーを生産する)親鶏が多数死んでおり、年末の需要期に品薄にならないか心配」とのことです。

一方で飼料となるとうもろこしなどの国際価格も上昇気配。

農家の経営も、肉屋の経営もこれからどうなるのでしょう。

うーん、ハーフ(雑種)に生まれたかった。

今回は、CJOの「セーノ!」9月号の取材もあり、
当店の指定牧場「小手川豚トンファーム」へお邪魔しました。

小手川豚トンファームでは「三元交雑種(以下、LWD)」という種類の豚を飼育しています。
読んで字のごとく、3種類の豚を掛け合わせた雑種ということです。
いわゆる「雑種強勢」を利用して、効率よくおいしい豚肉を生産しようというものです。
LWDのLはランドレース(デンマーク原産)のメスです。
これにWの大ヨークシャー(英国原産)のオスを掛け合わせます。
そして誕生するのが、LWです。
このLWのメスに、デュロック種(D、アメリカ原産)を掛け合わせます。

そして生まれてきた子豚がLWD、三元交雑種となります。
これが一般的にお肉屋さんで販売される「白豚」となります。

雑種である白豚と比較されるのが、「黒豚」です。
黒豚はバークシャー純粋種です。
純粋種は雑種にくらべて飼育がとても難しいといわれています。
一回に出産する子数がすくなく、発育が遅いのです。
ただし、黒豚は脂身の甘み、赤身のきめ細かさは絶品です。
そのためとても高価なものになります。

白豚は逆に多産(一回に14~6匹)で、発育が早いので低コストで生産できます。三元交雑種では、デュロックという赤身がおいしいとされる豚をかけることで、おいしさも増しています。
きちんと丁寧に育てられた白豚肉。これが実においしいのです。

簡単に説明したところで、動画も交えながら豚の飼育についてみていきます。

動画:三元交雑豚(LWD)あかちゃんと母豚

大きく横たわっているのが、母豚(ぼとん)のLWです。
母豚は妊娠してから4ヶ月程度で出産します。
生まれた子豚(LWD)は26日間ほど、母乳で育てられます。

生まれてまもないのに、人が近づいたりすると、いっせいに小屋に逃げ込んだりします。

動画:三元交雑豚(LWD) 離乳直後

子豚は生後一ヶ月後で、離乳されます。
離乳直後は、ミルクを与えます。その後、とうもろこしなどを原料にした飼料で肥育されます。

子豚と離れた母豚はすぐに種付けされ、出産準備に入ります。

動画:三元交雑豚(LWD) 出荷直前

子豚は生後180日程度で110kg程度に成長します。
豚は出荷され、パッカーと呼ばれる業者をへて、お肉屋さんに納品されます。
それ以降は、ブログ記事「君は豚の何を知っていて、「ぶた、ぶた」ゆうのか。」をごらんください。

さてここまで見てきた小手川豚トンファームの豚肉は、下記にてお求めいただけます。
□九州食肉学問所 直売所
□ネットショップ

また当店の運営するカフェでは、かつサンドなどがお召し上がりいただけます。
カフェ小邦寡民

こっそりとお得な情報→http://butcher.jp/

それでは、また次回。

おまけ動画:デュロック あかちゃんと母豚

余談ですが、母豚LWに掛け合わせるD(デュロック)の動画です。