見た目にごまかされるな!その2:ブリスケコブ

見た目にごまかされるな!その1:ハンキングテンダー
に続き第2弾です。

繰り返しますが、決して「食べてはいけない」ということではありません。

でもごまかされてはいけません。

まずは写真を。
ブリスケ
これはすごい霜降り、値段も高そうですね。

と思った方。

だまされています。

この商品は前回と違って「国産品(黒毛和牛も含む)」なのですが、めちゃくちゃ堅いです。

写真のように切り落としになっていれば、そんなに問題ありません。

ただし、カルビのような厚さで売られていたら要注意です。

店員さんに「これ、ブリスケコブ?」とたずねてください。

もしYESなら、買わないほうがよいでしょう。

そう、この部位は「ブリスケコブ」と呼ばれています。

ブリスケコブについては、
ブリスケって、あんた誰?何?
で詳しく取り上げています。

ものすごい霜降りが入ったようにみえるのですが、この脂身部分はとても堅く、焼肉用には適しません。

ブロックでビーフシチューなどにするととてもおいしいのですが、煮込んでもやわらかくなるのに時間がかかります。

等級によりますが100g200円から300円なら煮込み用、切り落とし用で購入しても、まあ文句はないとおもいます。

以上です。

見た目にごまかされるな!その1:ハンキングテンダー

決して「食べてはいけない」ということではありません。

でもごまかされてはいけません。

見た目はものすごく霜降りでも、とても固かったり、まったく味がない場合があります。

今回は、そんなお肉の代表例を紹介します。

それは「ハンキングテンダー」です。
主に、アメリカ産とカナダ産が現在流通しています。

日本名で、「サガリ」という部位です。内臓の中に、一本ぶら下がっているような感じなのでそう呼ばれています。

下記は、そのハンキングテンダーの商品画像です。
ハンキングテンダー
霜降りが適度に入り、とてもやわらかくおいしそうですね。
見た目だけなら、100g400円~500円ぐらいの国産品に見えてしまいます。

サガリ
焼いて食べてみるとわかるのですが、確かに非常にやわらかいです。
このやわらかさなら、幼児でも食べれます。

ただし、大半のケースで「まったく肉の味がしない」のです。脂身も水っぽいです。
*味覚には個人差がありますし、牛肉にも個体差がありますので、あくまでも参考程度にお願いします。

ですから、このお肉が100g300円以上で売られていたら、よく考えたほうがよいでしょう。
100g160円~200円なら相場といえるかもしれません。

このお肉、量販店ではよく「ソフト焼肉用」などといって、タレ漬けにされ販売されています。
特売だと100g100円というプライスも最近珍しくはありません。

大切なときに、このお肉に飛びつくと失敗するケースがあるのでお気をつけください。

それでは。

うーん、ハーフ(雑種)に生まれたかった。

今回は、CJOの「セーノ!」9月号の取材もあり、
当店の指定牧場「小手川豚トンファーム」へお邪魔しました。

小手川豚トンファームでは「三元交雑種(以下、LWD)」という種類の豚を飼育しています。
読んで字のごとく、3種類の豚を掛け合わせた雑種ということです。
いわゆる「雑種強勢」を利用して、効率よくおいしい豚肉を生産しようというものです。
LWDのLはランドレース(デンマーク原産)のメスです。
これにWの大ヨークシャー(英国原産)のオスを掛け合わせます。
そして誕生するのが、LWです。
このLWのメスに、デュロック種(D、アメリカ原産)を掛け合わせます。

そして生まれてきた子豚がLWD、三元交雑種となります。
これが一般的にお肉屋さんで販売される「白豚」となります。

雑種である白豚と比較されるのが、「黒豚」です。
黒豚はバークシャー純粋種です。
純粋種は雑種にくらべて飼育がとても難しいといわれています。
一回に出産する子数がすくなく、発育が遅いのです。
ただし、黒豚は脂身の甘み、赤身のきめ細かさは絶品です。
そのためとても高価なものになります。

白豚は逆に多産(一回に14~6匹)で、発育が早いので低コストで生産できます。三元交雑種では、デュロックという赤身がおいしいとされる豚をかけることで、おいしさも増しています。
きちんと丁寧に育てられた白豚肉。これが実においしいのです。

簡単に説明したところで、動画も交えながら豚の飼育についてみていきます。

動画:三元交雑豚(LWD)あかちゃんと母豚

大きく横たわっているのが、母豚(ぼとん)のLWです。
母豚は妊娠してから4ヶ月程度で出産します。
生まれた子豚(LWD)は26日間ほど、母乳で育てられます。

生まれてまもないのに、人が近づいたりすると、いっせいに小屋に逃げ込んだりします。

動画:三元交雑豚(LWD) 離乳直後

子豚は生後一ヶ月後で、離乳されます。
離乳直後は、ミルクを与えます。その後、とうもろこしなどを原料にした飼料で肥育されます。

子豚と離れた母豚はすぐに種付けされ、出産準備に入ります。

動画:三元交雑豚(LWD) 出荷直前

子豚は生後180日程度で110kg程度に成長します。
豚は出荷され、パッカーと呼ばれる業者をへて、お肉屋さんに納品されます。
それ以降は、ブログ記事「君は豚の何を知っていて、「ぶた、ぶた」ゆうのか。」をごらんください。

さてここまで見てきた小手川豚トンファームの豚肉は、下記にてお求めいただけます。
□九州食肉学問所 直売所
□ネットショップ

また当店の運営するカフェでは、かつサンドなどがお召し上がりいただけます。
カフェ小邦寡民

こっそりとお得な情報→http://butcher.jp/

それでは、また次回。

おまけ動画:デュロック あかちゃんと母豚

余談ですが、母豚LWに掛け合わせるD(デュロック)の動画です。