続編・・・家庭でもできる上カルビの作り方

九州食肉学問所です。

今日は、前回のナカバラについで、「アトバラ」という材料を使って上カルビの商品化をします。

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それではどうぞ。

上カルビ・アトバラ その1

アトバラはササニク、ショートプレート、インサイドスカートという3つのカルビ材料が取れます。まずはササニクを切断し、本体からインサイドスカートを取り除きます。

上カルビ・アトバラ その2

残った本体の脂・筋を除去していき、ショートプレートを作ります。歩留まりが悪いときや、単価の安いカルビ、バラうす切りを作る場合には、このままスライスしていきます。

上カルビ・アトバラ その3

ササニクを掃除していきます。体内側のうす膜、体表側の脂肪・筋を除去していきます。
これまでにササニク、ショートプレート、インサイドスカートという3つの焼肉材料が取れました。
それぞれを筋肉繊維と同じ方向で柵取りして、カルビ用にカットしていきます。

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畜産の現場で起きていること。

宮崎県で発生した口蹄疫が豚肉にも広がりかなり、その影響はかなりシビアになってきています。
宮崎を拠点とした畜産加工業者はほぼすべての原料入荷が止まり、なかば営業休止状態。
関西・関東を拠点とする業者が、このチャンスをねらって、必死の営業活動。

安定した量と質の宮崎県産の肉が流通していないため、このゴールデンウィークに焼肉用の原料が手に入らない状態です。
当店は小規模で生産者を指定して1頭買いをしているので、影響はほとんどないのですが、量販店など特定の部位のみを大量に扱うお店への影響は深刻でしょう。



(農林水産省畜産統計H21年度より勝手に拝借)。

上記グラフは国産牛の飼養戸数・頭数の推移をグラフにしたもの。
肉用牛に至っては飼養個数が激減するなかで、全体の頭数は増加減少にあります。つまり一戸あたりの飼育頭数が増えていて、大規模化しているということです。
口蹄疫(空気感染する恐れあり)などがある農家で発生したときの影響が、年々大きくなっているということです。
しかも九州は日本で生産される肉用牛のほぼ半分(44.6%)をしめ、そのほとんどが、宮崎・鹿児島で生産されています。
農家の大規模化と生産地の集中が進んでいるため、応じて問題発生時のリスクが激増しています。

多くの農家が一昨年の飼料価格高騰や販売不振により廃業する中で、また大手のミートパッカーが生産地の集約を推進しています。
問題の根は深く、解決する方法がない。
とりあえず今はじっと待つばかりです。