米国産牛肉の価格下落、豪州産に近づく 輸入量も増える

日本経済新聞社Web刊
米国産牛肉の価格下落、豪州産に近づく輸入量も増える

たしかに最近アメリカ産の値段(肉屋仕入れ値で)が落ちてきたような気がします。
パストラミが900~1000円前後/kgで仕入れられるし、ハンキングテンダーも700円/kg、アウトサイドも1300円~1500円付近で安定しています。
同等の値段だとやはりUS産をえらんでします。

外国産の牛肉で最近気になるのが、牛丼の「すき家」。
まったく私の想像ですが、以前は赤身(チャックロールかブリスケット)を使っていたような気がします。
脂身は少なく肉感はあったのですが、出汁に牛肉の味がなく、ただ砂糖で甘いだけの牛丼でした。

しかしながら最近は、ショートプレートのような肉片が多くなっていて、出汁に牛肉の旨味・甘みがでている感じがします。産地がUSかオーストラリアか分かりませんが。
*すき家さん間違ってたらごめんなさい。

この時点で、私の牛丼ランキングは、すき家が吉野家を抜いてしまいました。

ま、どうでもいいことですけど。

US産、オーストラリア産の牛肉については、下記をご参考ください。
外国産を知らずして、嫌うなかれ!

でも外国産が値下がりして喜ぶのは、外食産業ばかり。
当店はほとんど外国産使わないから・・・

君は豚の何を知っていて、「ぶた、ぶた」ゆうのか。

いま宮崎の口蹄疫で大変なのは豚肉も同じ。
高級牛肉よりも豚肉への影響のほうが、消費者の懐を直撃することになりそうです。

4-5年前に比べると、豚肉は格段に美味しくなっています。
一昔前は「豚肉はくさくて・・」なんて方とても多かったんですよ。
各地でもブランド豚が開発され、セールも盛んにおこなわれています。
国産牛肉が高い中、豚肉が一躍テーブルミートのスターダムにのし上がりました。

いったいどの豚肉がおいしいの?
ブランド豚っておいしいの?
黒豚ってなに?黒いお肉なの?
という質問をお客様からよく受けます。

そこで今回から3回に分けて、豚肉についてみていきます。

最初は基本中の基本 「豚肉ってなに?」です。

私たちが普段何気なくお店で購入する豚肉のほとんどが、「三元交雑種」という種類のものです。この三元交雑種については次回詳しく説明します。

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*三元交雑種(写真提供:小手川豚トンファーム)

高くておいしいというイメージのある「黒豚」に対して「白豚」とも呼ばれます。
白豚はスーパーなどでも売られている最もポピュラーな豚肉です。
黒豚が240日前後飼育されるのに対し、白豚は180日程度とエコノミーな仕上がりです。
エコノミーですが、養豚農家の努力で、十分おいしい豚肉に仕上がっています。

さてひとこと豚肉っていってもいくつかの部位に分かれます。
やはり、肉質も用途も違ってきます。
われわれの食生活に欠かせない豚肉でも、以外と部位を知らない方が多いようです。
しっかりとポイントをおさえ、上手に買い物をしたいですね。

おいしい豚肉に出会うためには、まず豚を農場指定で1頭買いしているお肉屋さんをみつけることです。
品質のぶれが少なくことが良い豚肉を仕入れる目をもっている証拠でもあります。
なんでもいいから安い豚肉を仕入れているお肉屋さんはやはり敬遠すべきです(非常に多い)。
そして、部位ごとにきちんと用途を提案しているお肉屋さんが親切です。

豚を1頭まるごと仕入れると、加工場に依頼して、部分肉(パーツ)に分割します。
豚パーツ1
昔は店内で骨はずしをしていたのですが、いまではとてもそんな暇はありません。
コスト面・衛生面からも専門業者に任せています。

上写真は豚の半分です。半丸もしくは半頭セットと呼びます。

半丸の中には通常、
豚ロース 約4.5kg
豚ヒレ 0.6kg
豚肩ロース 2.5kg
豚バラ 約5.0kg
豚ウデ 約5.0kg
豚モモ 約8.0kg

が入っています。
この各部位を、余すことなく上手に使い切るのが、お肉屋さんの頭の使いどころです。

最初にロース・ヒレです。
豚パーツ2
ロースは大きくフォア・ミドル・エンドに分かれます。
フォアはロース芯にロースカブリと呼ばれるすこし固めのお肉が付いています。牛肉でゆうとちょうどリブロースにあたります。
脂が多いようにみえるので、敬遠されるお客様も多いのですが、とんかつや厚切りステーキにすると、やわらかくコクのある料理になります。是非一度お店でフォアロインを頼んでみてください。

ミドルロインはもっともポピュラーなロースです。
うす切り、しゃぶしゃぶ用、とんかつ用など何でも合います。
やわらかいのですが、味が単調になりがちです。
エンドは、モモ肉との境目です。すこし筋目があるので、うす切りか切り落としに使います。

豚パーツ3
上写真は肩ロースです。
左が頭部側、右がロース側になります。
左側にいくほど肉質が固くなり、筋も多くなります。

肩ロースは、ロースよりも若干固めなのですが、味の濃さはロースよりも強めです。
厚切り肩ロースで、ソテーやカツをするのが、豚肉好きの醍醐味です。
チャーシューや煮豚にも使われます。

豚パーツ4
次は豚バラです。
豚バラは、脂が多いというだけで、お客様には嫌われることが多いようです。
肥育の悪い豚肉だったりすると、脂身の臭みが強くなるのでしょう。
特に外国産の安い豚肉だとアクが強いです。

豚肉嫌いの人は、あまり良い豚バラに出会えなかったことが原因にあるようです。
いろんなスーパーの豚肉をみていますと、豚バラを無理やり引き伸ばして、盛り付けている店があります。
こうゆうお店の豚肉はまず買わないほうがよいでしょう。安い豚の証拠です。

豚パーツ5
次に豚ウデです。
ウデ肉は前足部分のお肉です。肉質は若干固く、繊維が入り組んでいるため、切り落としやこま肉にスライス
されることが多いです。ただし味はもっとも良い部位です。
野菜炒めや、豚汁、焼きそばにつかうとよく合います。

豚パーツ6
最後に豚モモ肉です。
豚モモはうす切り、一口カツ、煮豚など、用途が多様です。

豚モモはさらに、
豚パーツ7
ウチモモ、ソトモモ、その他(ランプ+シンタマ)に分かれます。
ウチモモは一口カツ用・煮込み用
ソトモモはうす切り用・煮込み用
その他は切り落とし用・煮込み用
となります。

部位によってもさらに用途別に切ってもらう部分を選ぶとより美味しい料理に仕上がります。

豚肉のしゃぶしゃぶをするにも、あっさりいきたいのならモモ肉もしくはロース肉。
コクを重視したいのなら肩ロースもしくはバラ肉、と用途に合わせると、さらにおいしく召し上がれます。

余談ですが、肩ロースのしゃぶしゃぶは「ごまダレ」であわせてみてください。コクが深くなり、おいしい牛肉を食べている感覚が味わえます。

豚肉は上記のほかに、
豚頭肉・・焼きそば、トン汁、野菜炒め用
豚チマキ・・ミンチ・煮込み用
豚スペアリブ・・焼肉、煮込み用
があります。詳しい説明は割愛します。

豚の内臓肉については、後日取り上げます。

次回は、「豚の種類」についてです。三元交雑種のなぞや、黒豚などさまざまな豚を取り上げます。

それでは。

「豚肉輸入事業に40億円」=差額関税着目か―ローソン子会社不正流用

「豚肉輸入事業に40億円」=差額関税着目か―ローソン子会社不正流用】 時事通信社

この輸入豚肉の関税にまつわる悪さは、いっこうに尽きる気配がありません。
年に1-2回は、この手の話を聞きます。

もちろんやるほうが悪いでしょう。
だが、このような業者が輸入した豚肉を日本国内に流通させる業者がいるのも事実。
そうした業者は「知らなかった」というでしょうけど。