牛ウデを極めればあとは怖いものなし

牛ウデ(肩)肉は、モモ肉に比べると、スジが入り組んでおり肉質も若干固めです。
ただし、一般的に味はよく、モモ肉のような血の気をあまり感じません。
ウデ肉だけで、ステーキ、焼肉、牛タタキ、カレー用と様々な用途の商品づくりが可能えす。
牛ウデ肉だけで肉屋を営んでいるお店もあるほどです。

筋肉の構造をよく知って、きちんとトリミングするには若干の経験を要しますが、
これができるようにならないと、一人前とはいえません。

牛ウデ肉の商品化 その1

まず体表と体内側の脂肪・筋をトリミングします。次に上ミスジとコサンカクを分割します。
ニノウデを取り除き、ミスジとクリを分割します。


カタサンカクを筋にそって2分割し、冊取りしていきます。コサンカクは2分割し、冊取りします。上ミスジはササの葉の形をした部分と平べったい形をした部分に分割し冊取りします。


最後にミスジを真ん中の筋にそって分割します。先端部分の筋は固くないので、そのままステーキカットにします。残りの部分は筋にそって半分に割ります。そしてそれぞれを冊取りします。

それぞれの冊を焼肉用にカットしていけば商品化の完了です。

ミスジは、ショルダーステーキや上焼肉用として単価を上げて販売します。
一方でニノウデやウワミスジなどは、切り落として単価を下げて、バランスを取ります。

今日はここまでです。

続編・・・家庭でもできる上カルビの作り方

九州食肉学問所です。

今日は、前回のナカバラについで、「アトバラ」という材料を使って上カルビの商品化をします。

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それではどうぞ。

上カルビ・アトバラ その1

アトバラはササニク、ショートプレート、インサイドスカートという3つのカルビ材料が取れます。まずはササニクを切断し、本体からインサイドスカートを取り除きます。

上カルビ・アトバラ その2

残った本体の脂・筋を除去していき、ショートプレートを作ります。歩留まりが悪いときや、単価の安いカルビ、バラうす切りを作る場合には、このままスライスしていきます。

上カルビ・アトバラ その3

ササニクを掃除していきます。体内側のうす膜、体表側の脂肪・筋を除去していきます。
これまでにササニク、ショートプレート、インサイドスカートという3つの焼肉材料が取れました。
それぞれを筋肉繊維と同じ方向で柵取りして、カルビ用にカットしていきます。

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ゴールデンウィーク前に・・・

九州食肉学問所です。

宮崎県で口蹄疫ウイルスに牛が感染していたと報道されました。
http://www.nishinippon.co.jp/nnp/item/167473

いま宮崎で一番大きな牛肉センター(屠畜場)が、この影響をうけて
休業しているとのこと。ゴールデンウィーク前の需要期に
大産地である宮崎から牛肉の出荷がないことになりそう。

なにせ宮崎だけで全国の黒毛和牛の13%(H18畜産統計調査による)、
鹿児島をあわせると33%も飼育されている。
今後影響が拡大すれば危機的状況になります。

実際、バラ肉などの焼肉用材料(焼材)が逼迫し、
値段が上がり始めている。一方で、在庫を抱えた業者は
売り込みに必死のよう。

農家はもっと大変だろう。風評被害だけは避けたいところ。
早急な解決を切に望みます。

しかし、国産牛肉は災難つづきです。